鞭道
「この国では、お茶も華も弓も、道になる」なんてCMがあるが、
鞭の道 「鞭道」(べんどう)というのは、どうだろうか?
鞭も刀剣や弓と同じく、相手を攻撃するための「武具」に違いない。
神聖な「武具」を素手で扱うことは道に反することで、鞭を使う為政者、刑罰執行者は、必ず、手袋を嵌める必要がある。その手袋は黒革、黒エナメル等の素材で、長いほど良いとされる。
為政者、刑罰執行者は、処刑を受ける者、賎民に対して、威厳と威圧性を誇示する格好で望むのが、「鞭道」の基本である。
「鞭道」においては、為政者、刑罰執行者は、処刑を受ける者、賎民の生殺与奪の権限を掌握し、後者に人権は ない。
賎民が、泣く、為政者のブーツを舐める等の行為で、許しを乞う場合でも、為政者は、それを無視して、いかに冷徹に鞭を振るいつづけるかが、「鞭道」の評価対象になる。
処刑を受ける者、賎民のカラダについた鞭の傷跡の形は「芸術点」として、為政者の評価対象になる。
「鞭道」の公式戦は、「鞭道場」という施設で行われる。これはコンクリートの、冷たい床が採用されている。それは為政者の履くブーツの靴音が響くようにするためである。また、排水口が床に設けてえある。為政者の鞭の責めに処刑を受ける者、賎民の不意の失禁、排泄、嘔吐、流血等があった場合に、即座に流水を掛け、清浄できるためである。そうした不浄の始末をするものとして、賎民以下の「不可触賎民」が飼われている。
公式戦終了後、これは「鞭道」において、評価の対象ではないが、賎民は、自分に処罰を施してくれた為政者に対し、礼節とかんしゃをもって、為政者の屹立した砲身に口で奉仕し、そこから噴出する白液を飲む。ただし、口での奉仕の最中に為政者が賎民を鞭で打つことによりできた鞭傷は評価点の対象となる。